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  • 2020.05.14 Thursday
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STAFF

天国と地獄

昔からある手遊びに、こういうのがある。
親指の先から指の股と指先を順々に、人の名前を唱えながら数えてゆく。
終わったところから「天国・地獄・大地獄」と三拍子で、その人の死後の行き先を占う。

私の名は7音で、結婚しても名字が変わらなかったので、子どもの頃からずっと"天国行き"を約束されている。
(実は我ながら甚だ心許ないのだが)
ところが息子の名前は6音で、"大地獄"。
何回繰り返しても結論はいつも同じだ。

親父は天国、自分は大地獄。
子ども心に、この結論は承伏しかねたようで、一計を案じた。
「天国・地獄・大天国(おおてんごく)!」
ほぉ、なるほど考えたものだな。

息子はいたって満足気である。
親父よりもいいところへ行ける、というのは嬉しいのだ。

ここでふと考えた。
地獄にもいろいろあって、それぞれに辛そうだ。
大地獄ともなると、ちょっと想像しただけでも顔が歪みそうになる。
人間の苦痛への想像力は具体的で生々しい。

これに対して天国はどうか。
極楽でもいい。
さぞや幸福な光り輝く世界なのだろう。
しかし、ちょっと待てよ。
その天国を超える"大天国"って一体どんな世界なんだろう。

一切の苦しみのないのが天国だ、とまずは単純にそう思うけれど、次の瞬間、幸福(天国)というものへの自分の想像力の貧困さに思い至る。

自分の工夫と発見で得意顔の息子を眺めながら、
「いいからお前は天国に行きなさい。お父ちゃんが代わりに大地獄へ行ってやります」
心の中でそう唱えた。

JUGEMテーマ:日記・一般
  • 2015.06.05 Friday
  • 16:57

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